Mbed開発環境の選択

Mbedの開発環境をどうするか考える。

3つの開発環境

Mbedの(Armが提供している)開発環境には現在3つの選択肢がある。

  • Arm Mbed Online Compiler
  • Arm Mbed CLI
  • Arm Mbed Studio

Mbed Online Compiler

いわゆるクラウド環境。プロジェクトやソースコードもすべてクラウドに保存され、ブラウザさえあればどこからでも作業できる。コンパイラーは対象ボード(ターゲット)によってArm Compiler 5または6が使われる。

ローカルへのインストールの必要がなく、サードパーティ製ライブラリのインポートなども面倒な設定なしに簡単にできるので、とにかく手っ取り早く動かしたいときに便利。また、Mbed OS 2を使うならこれ一択のようだ。

Mbed CLI

Pythonベースのコマンドラインツール。環境はpipやGitやMercurialを使ってインストールされる。テキストエディターは自分で用意。コンパイラー(ツールチェイン)はArm、GCC、IARに対応しているが、ライセンスは別途必要なので無料で使えるのはGCCのみ。

これの特徴はLinux PCでも使えること。LinuxユーザーならGUIでなくても大丈夫だろうし、お気に入りのエディターもあるだろう。

以前はMbed OS 2も対応してたようだが、いつからか使えなくなってそのまま放置されている模様(参考)。Mbed OS 2公式リポジトリのZIPもダウンロードできないし、さすがにもうサポートされてないのかもしれない。

Mbed Studio

ローカルGUI環境でWindowsMacで利用可能。コンパイラーはArm Compiler 6が同梱されていて、Mbed Studioならタダで使える。Mbed OS 5のみ対応。

今はまだベータ版で、正直IDEとしての完成度はとても低い。CLIと違って必要なもの(コンパイラーやGitなど)がセットになっているのでインストールは楽。

比較表

環境 プラットフォーム Mbed OS Arm GCC IAR
Online Compiler ブラウザ 2 / 5
Mbed CLI Win / Mac / Linux 5
Mbed Studio Win / Mac 5
  • △は別途ライセンス必要

結局

ローカルで純正コンパイラが無料で使えるMbed Studioを選択することにした。ただし、ソースコード編集は別のテキストエディター(GVIM)を使い、Mbed Studioには空のプロジェクトの作成とビルドだけをお願いすることにした。将来OpenOCDなどを使うことを考えるとできればLinuxで作業したいが、純正コンパイラーの誘惑に負けた(実際どんな性能差があるのかは知らない)。

参考:Overview - Tools | Mbed OS 5 Documentation